PCCJ2026 Rd8 / Rd9
鈴鹿サーキット「西ストレート」
マシンは一気に「最高速の世界」へ。
スプーンを抜けたカップカーは、 ここから一気にアクセルを開け、 長いバックストレートへと 飛び出していきます。
ここは、 鈴鹿サーキットの中でも 特に速度が伸びていく区間。
ドライバーにとっては、 ただアクセルを踏み続けるだけの 「簡単な直線」ではありません。
スプーンをどう立ち上がったか。 その結果が、 バックストレートの 最高速にそのまま表れます。
そして、 ストレートの先には 鈴鹿を代表する高速コーナー 130R が待っています。
バックストレートは「スプーンの続き」。
初めて鈴鹿サーキットを見る方は、 スプーンとバックストレートを 別々の場所として考えるかもしれません。
しかし、 ドライバーの感覚では ここはかなり強く つながっています。
なぜなら、 スプーンの出口速度が、 そのままストレートの速度になる からです。
スプーンで少しでも 立ち上がりを失えば、 その影響はバックストレートを 走っている間ずっと残ります。
逆に、 スプーンの出口で きれいにマシンを立ち上げ、 早い段階からアクセルを 開けられれば、 ストレートに出てから どんどん速度が伸びていきます。
つまり、 バックストレートの速さは、 ストレートに入ってからではなく、 スプーンの出口で ほぼ決まり始めている。
レースを見ていると、 バックストレートで マシン同士の速度差が はっきり見えることがあります。
ただし、 その差がすべて エンジンパワーだけで 生まれているわけではありません。
スプーン出口で どれだけ速度を残せたか。
どれだけ早くアクセルを開けられたか。
そして、 マシンをどれだけ スムーズに加速状態へ 持っていけたか。
こうした小さな違いが、 長いストレートの間に 大きな差となって現れます。
プロのドライバーほど、 「ストレートで頑張る」のではなく、 「ストレートに入る前に 速くしておく」 という考え方をします。
アクセルを開けてから、速度はどこまで伸びるのか。
バックストレートに入ったら、 ドライバーは基本的に 一気に加速していきます。
PCCJのカップカーであれば、 スプーン出口から シフトアップを繰り返しながら、 速度をどんどん乗せていきます。
ここでは、 コーナーのように ステアリングを大きく切る必要はありません。
だからこそ、 「何もしていないように見える」 かもしれません。
しかし実際には、 アクセル操作、 シフトアップ、 マシンの安定、 タイヤの状態、 前後のマシンとの距離など、 ドライバーはさまざまな情報を 感じ取りながら走っています。
特にレースでは、 前のマシンとの距離が 少しずつ縮まっていく場面もあります。
そのままスリップストリームに入れば、 さらに速度差が生まれることもあります。
バックストレートのような 長い直線では、 前を走るマシンの後ろに ぴったりつくことで、 空気抵抗が減る 「スリップストリーム」 が大きな意味を持ちます。
簡単に言えば、 前のマシンが空気を かき分けてくれることで、 後ろのマシンが 少し楽に加速できる という現象です。
そのため、 バックストレートでは 前のカップカーの後ろに じわじわ近づき、 そのまま130Rへ向けて オーバーテイクを狙う。
そんなレース展開も 起こりやすくなります。
レース観戦では、 「どのマシンが前のマシンに 近づいているか」 を見てみると、 次の攻防が少し予想できるようになります。
速いからこそ、130Rがさらに怖くなる。
バックストレートの もうひとつのポイントは、 その先に130Rがあることです。
ストレートの途中では、 ドライバーは できるだけ速度を伸ばしていきます。
しかし、 その先には 130R が待っています。
つまり、 「どこまで速度を上げられるか」 と同時に、 「その速度で130Rへ どう入るのか」 まで考えなければいけません。
ストレートの終わりが そのまま高速コーナーに つながっている。
これが、 鈴鹿サーキットの スリリングなところです。
ドライバーにとって、 バックストレートの終わりは ただのストレートエンドではありません。
その先の130Rへ どうつなげるかを考える 大切なポイントです。
もちろん、 最高速が伸びることは タイムを稼ぐうえで重要です。
しかし、 130Rへの進入で マシンが不安定になれば、 そこで得たメリットを 失ってしまいます。
だから、 ただ最高速を追うのではなく、 「次のコーナーまで含めて どこまで攻められるか」 を考えます。
レース観戦では「ストレートの入口」を見てほしい。
バックストレートを見るとき、 初めての方におすすめしたいのが、 ストレートの真ん中ではなく 「入口」 を見ることです。
スプーンの2つ目を抜けた瞬間、 各マシンがどのように 加速していくのか。
ここを見ると、 ドライバーごとの違いが 分かりやすくなります。
あるマシンは、 早い段階から力強く加速していく。
別のマシンは、 少しだけ慎重に姿勢を整えてから 一気に速度を伸ばしていく。
その違いが、 ストレートの後半になるにつれて 少しずつ大きくなっていきます。
鈴鹿の「速さ」を一番感じられる場所。
スプーンや130Rのような コーナーでは、 マシンの旋回性能や ドライバーの技術が 分かりやすく見えます。
一方で、 バックストレートでは、 「マシンが持っている速度」 をダイレクトに感じることができます。
スプーンを抜けたカップカーが 一気に加速。
その音とスピードが どんどん大きくなっていき、
最後には 130Rへ向かって 一瞬で飛び込んでいく。
鈴鹿を初めて訪れる方にも、 ぜひ一度 体感していただきたい 区間です。
スプーンで ドライバーが作ったライン。
マシンの姿勢。
アクセルを開けたタイミング。
それらすべてが、 バックストレートに出ると 速度という形になって現れます。
だからこそ、 バックストレートは 「スプーンで何が起きたのか」 が見える場所 でもあります。
そして、 その速度を持ったまま 130Rへ向かっていく。
ここから先は、 鈴鹿サーキットを象徴する 超高速区間へと入っていきます。
次回はいよいよ「130R」。
バックストレートを 走り切ったカップカーの前に 待ち構えるのが、 130R です。
鈴鹿サーキットを代表する 超高速コーナー。
長いバックストレートで 最高速まで加速したマシンが、 その速度を保ったまま 130Rへ飛び込んでいきます。
ここでは、 「怖いから減速する」 という単純な話ではありません。
どこまで攻めるのか。 どこでマシンを安定させるのか。 そして、 次のシケインへ どうつなげるのか。
次回は、 そんな130Rの魅力を 初めてサーキットを見る方にも イメージできるように プロドライバー目線で 紹介していきます。